身の回りの整理を始めた方に共通した感想が、
「片付ける作業によってモノが少なくなる一方で、
精神的には逆に豊かになった」という言葉です。
モノにはそれを所有する人の意識が宿っており、
家の中にあるモノや、服装などを見れば、
何となくその人の性格や意識というものを
感じることができるのです。
過去から現在までに至る
何年も溜め込んだモノの集大成が、
その家が放つ独特の生活感というものであり、
それはとりもなおさず、
住む人自身の生活意識そのものと言える筈です。
いらないモノを捨てていくことは、
残された家族の負担を軽減させる作業であることは
言うまでもありませんが、
それ以上に、これから先の自分自身が、
精神的に豊かな日々を送るために
もっとも重要なことなのです。
モノに対して執着を持つことは、
過去の自分への執着心に他なりませんから、
捨てる作業は執着心を手放すと同時に
心を解放することにも繋がります。
ものごとには必ず入り口と出口があります。
たとえば、電車やバスなどでは
下りる人が先で乗る人は後であり、
エレベータも誰かが出なければ次の人は乗れません。
家であれば、不要なモノを捨てなければ
本当に必要なモノが入るスペースはありませんし、
心も同じであり、執着心をまず捨てなければ
新しい価値観も生まれないのです。
一見、モノを捨てることで
何かを失ってしまうように思いがちですが、
実は捨てることによって得るものが
思いの外たくさんあることを
私たちはモノを捨てることによって気づくのです。