親の家をどうするのか?

家というものは、親が残す資産の中でも
大きな価値を持つモノのひとつです。

しかし現代社会においては、
この大きな資産であるべきも筈の「家」が、
場合によっては大きな「負債」となり得る状況になっています。

自分が親として、子供たちに家を残す立場の方もいらっしゃれば、
またそれを相続する子供の場合もあることでしょう。

いずれにしても、親の死後にその家に誰も住まない
「空き家」という状況が年を追って増え続けていることから、
さまざまな問題が発生するのです。

現代社会では「核家族化」ということが言われて久しくなります。

子供たちは大学進学などで都市部へ旅立ち、
そして卒業してもやはり都市部で就職。

やがて結婚して家庭を持つと、そ
の地で自分の家を持つことが多いものです。

そのため、故郷にある実家(親の家)に帰って来るということは
殆ど無いといっても過言でない時代になってます。

そんな状況の中、親が死んでしまい
誰も住まなくなった「親の家」をどうするのか?ということが、
近年大きな社会問題になっているのです。

親が亡くなるという場合だけではなく、老人ホームに入所して、
実家に誰も住む人が居なくなるという場合もありますが、
思い出がたくさん詰まった家が空き家になった時、
その家をどうするのかを決めることは大変難しい問題です。

子供としては自分が生まれ育った家ですから、
誰も住まないとしても、そのままにしておきたいと思うのは
当然の心理ではあるものの、
家を維持して行くためには様々な問題があります。

家というものは年々老朽化していくため、
そのメンテナンスが定期的に必要であり、
まして誰も住まないというのであれば、
保守管理ということが大変難しい問題になります。

また、昨年施行された「空き家対策特別措置法」では、
自治体が空き家となった家屋を随時調査することによって、
「特定空家」に指定された場合には、
これまで建物が立っている土地では
固定資産税が6分の1になるという軽減措置が無くなるため、
これまでの6倍(実質は4.2倍以下ですが)の固定資産税を
払わなければならないということにもなりかねません。

空き家・空き地の活用方法は、
主に「売却する」「自分で住む」「人に貸す」「解体する」
の4つになると思います。

そしてこの4つの方法の中でも、
状況によっては、さらに活用方法の選択肢が増えるでしょう。

例えば自分が住む場合や人に貸す場合でも、
家の状態によってはリフォームが必要になるケースもあります。

また売却の場合であれば、中古戸建として売却するのか、
それとも建物を解体して土地を売却する方法も考えられます。

このように、その建物の状態や、地域、立地条件などによって、
どのような活用方法が最適なのか異なってきますが、
まずは家を売るのか、売らないのかが最初の分かれ道となります。

親の家をどうするのか?ということは
必要になってから考えるのでは遅すぎます。

まだまだ元気なうちに、どうするのが一番良い方法なのかを、
家族で相談する機会を持つことがとても大切です。